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ベルギー&パリ紀行(2003.9)
chapter 3 ブリュッセルのホテルって。

 ここでブリュッセルのホテル事情について触れておきたい。というのも、ブリュッセルの多くのホテルでは平日と土日で料金が違う。こういえばふつう我々日本人は高い週末料金を想像するが、ここでは逆である。しばしば土日が半額ということさえあって、大ホテルほどその傾向が顕著だ。


 我々はこれまでホテル代はかなりケチってきたが、今回この制度?のおかげで10年間ではじめて5つも星がついたホテルに滞在することができた。この時期ツインで月〜木曜日が約28,000円のところ、土日はなんと約17,500円。これもけっして安くはないが、一週間前の平日に泊まっていたらなんと同じ部屋でも53,000円というからこの変動は大きい。


ホテルにおかれたソープたち
洗面室に置かれたソープやシャンプーの入れ物も、なんだかお菓子の詰め合わせみたいにかわいい。

 ここブリュッセルはご存じの通りEUの本部がおかれているため、中心部のホテルでは会議や催し物があったりビジネスで人の動きが大きい平日が高く、週末が安いということらしい。泊まった「ラディソンSASホテル」は、世界を飛び回っていそうな本物風のビジネスマンがわんさか。月曜日ともなれば朝食に供される中庭風のテラスは、あちこちで広告のイメージ写真に見るような「パワーブレックファスト」の輪が広がる。彼らから見たら、我々なぞハイスクールのカップルにしか見えまい。


 それでも我々は臆せず食う。ベルギーのホテルはパリと違ってたいてい朝食付きだから、昼食であまり食べなくてもいいように、たらふく食べる。ふわふわ〜のエッグ、4種類くらいの本格的なジャーマンソーセージ、ベークドトマト、ベーコン、ご当地のワッフル、イギリス人が好きそうな穀物系のシリアル4種類、ヨーグルト、ありとあらゆるフルーツ、パンもカンパーニュから通常のトーストみたいなものまで多種多様。バイキング方式であるのをいいことに、立食パーティーに迷い込んだ子猫のごとく、「おいしい、おいしい」としつこく言いながら次から次と食べ、飲み、舌鼓を打ちまくった。いまこれを書いているのは夜中の2時だが、思い出すだけでもういたたまれないほどにお腹がすいてくる。


 そしてこのホテルは設備がずいぶんと近代的だった。エレベータは部屋のカードキーをエレベーター内のスリットに入れないと動かない。部屋に入ると、テレビがついていて「Welcome Mr.00000」と名前が刻まれている。ビジネスマンがよく使うせいかアイロン、アイロン台、そしてフランスが誇る超カンタン湯沸かし器「Vitesse」(早いという意味)も置いている。


 これはホテルの自慢でもあるらしく、チェックインの時のポーター君は部屋に入るなり、「お部屋の機器を説明してもよろしいですか?」と尋ね、うっかり「ウィ」と答えると、「ここにはほらアイロンです。ここを持ち上げるとアイロン台になります。使わないかも知れませんが、ふふふ。コーヒーもお湯を沸かして飲めます。沸かすだけならなんとタダです、ふふふ。テレビの下は一見クロークですが、ここに金庫がありますね。これも最新の電子式です。すごいですね、ふふふ。ぜんぶご自由にお使いください。私のではありませんが、ふふふ。」と、それらの機器をご丁寧にすべて紹介してくれた。もちろん私も紹介料として1.5ユーロを渡した。それが彼の仕事なのだ。 こうして我々は、ベルギー最初のホテルを大いに満喫した。