cafe time sucre

カフェ・タイム・シュクレは、シュクレの杉浦今日子が、日々の出来事や刺繍のこと、
フランスのこと、もの作りのことなどをつらつらと書き綴る日記です。
コーヒーやお茶を片手に、ひと休みという時間のお供にどうぞ。


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2009.3.31
思考回路
 頭の中の回路というのは、人によって随分と違うものだな・・・と感じることが多々あります。理解するための経路とか、考えるときの筋道とか、ものを生みだすときの発想の順序とか・・・。
 先日同世代の友人と話しているときに、われわれ世代と今の若い子世代では、随分と思考回路が違うようだという話になりました。生きてきた環境がこれだけ違ってきているのだから、思考回路も違って当然。
 まず、視覚に入ってくる情報がかなり違ってます。われわれの幼少の頃はテレビが白黒だったし、やっとカラーテレビが出てきてもそんなに長い時間テレビを見ることはなかった。インターネットももちろんないし、ゲームだってせいぜいインベーダーです。(懐かしい・・・)やっとテレビゲームがご家庭で楽しめるようになったのは、大人になってから。それだって、ドラクエ1はレゴで作ったような人間がぎこちなく動くものだったし、スーパーマリオだってどう考えてもリアルからはほど遠い。携帯だってもちろん無い。
 そんなこんなで、想像力だけは立派に育ったような気がします。まあ、無駄な想像も多分にありますが、それはそれで本人的には面白いものです。

 実は私がいつもものを作るときには、まず言葉から入ります。もちろん全部ではないけれど、ビジュアルから入ることはあまり無い。とくに、刺繍の図案を考えるときに最初にくるのは言葉。言葉から入る方がいろいろ想像できて、そこから広がる部分が多いからです。それは単語の羅列だったり、短い文章であったり、ながい小説であったり、歌の歌詞だったりする。言葉というのは1つの単語をとってもそこから思うことは人それぞれに違うと思います。受け取り方が違うし、自分の経験で何か関連したことがあれば思い出効果がプラスされたりする。

 そんな風に自分の思考回路をたどってみると、他人の思考回路ってどうなってるんだろう??と思います。だれか一人だけ、他人の思考回路が見られるってことになったら、誰のを覗かせてもらおうか??荒俣宏さんは気になるし、村上春樹さんのも興味ある。もうお亡くなりになられていますが、司馬遼太郎さんの思考回路も素敵そうです。私の想像力ではとてもとても及ばない回路が形成されているんだろうと思うんだけど。。。。でも、自分の思考回路は絶対覗かれたくないですね。


写真は鎌倉のケーキ屋さん、『アトリエ・バニラ』のコーヒー・ロールケーキ。ここはロールケーキが有名なのですが、夕方に行ったらもう売り切れてて、ショーウインドーに残っていたカットのこのロールケーキを買っていただきました。ロールケーキ好きは沢山いるし、いろいろなロールケーキがありますが、最近クリームの分量が多いのが多数派ではないですか?それは、ロールケーキというよりはクリーム巻きなのでは??みたいな。このロールケーキは、スポンジとクリームのバランスが非常によろしい、正統派ロールケーキでした。なにしろスポンジが美味しい!!普段食べ物の写真てあまり撮らないのですが、凛々しい巻きっぷりに思わずシャッターを切ってしまいました。

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2009.3.22
目的地に辿り着くこと
 普段あまり電車に乗らない生活をしています。というか、基本的に家で仕事をしているのであまり家から出ないし、出ても駅前のスーパーに行く程度。極めて行動範囲の狭い、野良猫のような生活です。
 たまにしか電車に乗らないからなのか、それともなにか重大な欠陥が脳にあるからなのか・・・。電車に乗ると5回に1回くらいの割合で乗り過ごしたり、乗り間違えたりします。ひとに言うとびっくりされますが、本当です。自分でも驚きます。『またか??』みたいな。本を読み始めちゃうとまずダメです。あとは考え事。しっかり起きてるのに、なぜか目的地から2駅くらい過ぎたところで気づく。ひどいときは折り返し運転の電車に乗って、折り返して最初に乗った駅にそのまま帰ってきちゃったり・・・。本当に目的地にいつか辿り着けるのか??と不安になることも・・。いい大人なんですけどね・・・。
 ものを作っているときも、なかなか最終地点にたどり着けない時があります。製作者には色々なタイプの人がいると思うけど、わたしは考えながら製作を進めるタイプ。部分で『これをやりたい』というのが決まるといてもたってもいられず走り始めて、全体をまとめる段階で『どうやったらまとまるのだ???』と、非常に悩む場合があったりします。(もちろん、オーダーで作るものの場合はプランを最初に固めてから製作にかかります。念のため。)

 そういう時って、なにをやっても違うような気がするスパイラルにはまりこんでしまって、そのスパイラルから抜けられなくなる。色々試してみるんだけど、どうしてもしっくりこない・・てきな。でも、必ず、しっくりくる点というのは、どこかに存在するんですよね。そんなときは、本当にずーーーっとどこがしっくりポイントなのかをひたすら考えます。だいたい、睡眠不足になる。考え過ぎてるから、ぐっすり寝れなくなっちゃうんですね。でも、試行錯誤の結果、必ず『ココ』という地点に辿り着けます。すごく時間がかかるときもあるけど。到着地点というのは、必ずあるものです。

写真は先日友人と鎌倉に行ったときに撮った植物の写真。もうすぐ黄色い花が開きます。植物の名称に明るくないもので、名前が分からないんですけど、愛嬌のある樹でした。鎌倉はもうすっかり春の空気で、色々な花が咲いてました。たまに自然に触れると、自分の中に何か流れるものが入ってきてふっくらする感じがします。

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2009.3.3
猫のバランス感覚
 家の周りに、野良猫が沢山います。最近グレーの新顔も入ったりして、結構な数の猫たちがうろうろしているのですが、わが家の建物の周りに建っている万年塀の上は彼らの散歩道です。大抵はのんびり歩いて通り過ぎるのですが、たまに立ち止まって座り込み、休んでいる風の猫がいたりします。万年塀ですから、幅は細いんだけど、どうやら猫のバランス感覚は格別のようで、そんなことはものともしません。ちょっとびっくり。座り込むとどう考えても身体の一部は塀の上からはみ出てる。よく落ちないでいられるな・・・と、感心します。
 少し前に、発情期なのか、新参者の入居試験なのか、縄張り争いなのか・・・よく分かりませんが、猫が激しく泣いたりケンカしたりという時期がありました。猫のケンカはスゴイですね。その泣き声。人間の赤ちゃんみたいで、どきっとすることもあるし、あまりの大声に思わず窓の外をのぞき込んでしまうことも。
 ある日、今までにないほどの悲鳴に近い泣き声が聞こえてきて、「今度は何だ??」と思っていたら、ベランダの横の万年塀の上をもっのすごい勢いで走り抜ける猫の姿。「えっ??」と思う間もなく、もう一匹、ものすごい勢いで走り抜ける猫。本気の追いかけっこを始めてみましたが、想像を絶する早さで走り去って行きました。目で追えないくらい早い。人間に餌を貰って生きる、都会の優雅な野良猫も、本気になることがあるんですね。それにしても、狭い万年塀の上を全力疾走できるそのバランス感覚が素晴らしい。

 帰り道、ご近所のお宅の本当に狭い軒の上で、でぶっとした猫が寝てたことがありました。軒ですから、地面からは結構上で、しかもとても幅が狭い。こんなとこで寝るなんて・・・と珍しいと思った私はしばらくその猫を眺めていました。そうしたら、やっぱりデブ猫にも野性が残っているのか、私の気配を感じたらしくうす〜く目を開けて、私のことを見るんです。「見つかった」と思ってちょっとどきりとしましたが、私も姿勢を崩さずいたら、気づかないふりをしようとしたのか、もしくはそれ以上に睡魔に勝てなかったのか、また静かに目を閉じてしまいました。また少しそのまま見てると、また目をうす〜くあけて、私の方を見ました。私も姿勢を崩さずいると、またまた静かに目を閉じる。デブ猫の野性、睡魔に勝てず。せいぜい軒から落ちないように・・・と思いながら、静かにその場を去りました。

写真はフランス・トゥールのワイン博物館で見つけた金・銀糸刺繍の羊。羊の身体が全部モールでできています。豪華な羊です。

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