cafe time sucre

カフェ・タイム・シュクレは、シュクレの杉浦今日子が、日々の出来事や刺繍のこと、
フランスのこと、もの作りのことなどをつらつらと書き綴る日記です。
コーヒーやお茶を片手に、ひと休みという時間のお供にどうぞ。


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2009.2.19
インドア派
 フランス語のクラスに通っています。まだ初級の初級クラスですが、少しずつ単語や表現が増えてきて、幼児一歩手前くらいのフランス語がようやくしゃべれるようになってきました。まあ、大人レベルまでは望まないまでも、7歳児レベルくらいまでにはいきたいと思いながら日々動詞の活用を口ずさんでみたりしています。
 さてさて、こういった語学のクラスですが、まあ、まだ表現できることが限られている・・・ということもあり、『私は昨日の夜出かけました。』や『わたしは今日の朝、朝ご飯を食べました。』なんていう簡単な文章をひたすら繰り返し練習します。そんな中、なぜかスポーツをするか、しないか・・・とか、スポーツは好きか嫌いか・・・なんていうアウトドア派な練習文が多いのです。
 正直、わたしの廻りには私を含め、アウトドア派の人間はまずいません。どちらかというとインドア派・・・というよりは、圧倒的にインドア派という人ばかり。それも家の中でさえ、無駄に動くのを嫌うような人たちばかり。そんな極度にインドア派の人々は椅子に座ったら、ものが落ちても立って拾ったりはしません。椅子に座ったまま、一生懸命手を伸ばして無理矢理拾います。そもそも、必要なものは手の届く範囲に全て置かれていなくてはいけません。

そんな私がフランス語のレッスンでスポーツのことを聞かれると、間違いなく否定文の答えになります。スポーツは好きか?→好きじゃない。スポーツはするか?→しない。スポーツは見るか?→見ない。・・・これが個々のスポーツとなると、更なる否定文のオンパレード。テニスはしますか?→しない。サッカーは見ますか?→見ない。水泳は好きですか?→好きなわけがない。なかなか、語学を学ぶのも大変です。

写真は秋のパリの空。この空の下にいる自分を思い描きながら、動詞の活用を口ずさむわけです。さて、最近のクラスでは、『朝は早く起きるか?』『今日の朝は早く起きたか?』など、これまた文化系自営業者にはキツイ質問が続いております。もちろん、すべてに否定形で答えます。

こちらはブログです。↓↓クラスのみなさんの作品の紹介と、白金台近辺情報を掲載しています。最近新作がぞくぞく。ぜひこちらもご覧ください。
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2009.2.10
クラスの新サンプルができました!!
 シュクレの刺繍クラスで、どうやら『ロング&ショートステッチが苦手』という人が多いようです。
 たしかに、ロング&ショートは美しく刺すのが難しいステッチです。でも、綺麗に刺せると、糸にツヤが出て本当に美しく仕上がります。ここは是非とも、がんばってロング&ショートステッチを克服していただきたい・・・という思いから『ロング&ショート克服プログラム・ロング&ショートステッチで花を刺繍するバッグ』のサンプルを作ってみました。
 まず、ロング&ショートやサテンが上手くさせない・・・というのには、図案の輪郭がはっきりしていなくて、針を入れる位置が曖昧になってしまい、その結果輪郭線がきちんとでなくて綺麗に見えない・・・というのがあります。ずっと生地を持っていて、針の出し入れをしているとどうしても下絵が消えてきてしまい、どこをとったらいいのかが分からなくなってきてしまうのです。まず、今回のサンプルはここを解消。図案は描きません。はじめから織り柄の入った生地を使います。その織り柄の輪郭線に沿って、刺していきます。そして、25番4本取りから3本取りでの刺繍。糸を綺麗に広げて、4本(または3本)の中でよりがかからないようなテクニックを身につけて、表面が艶々になるように仕上げます。25番刺繍糸は綿ですが、綿でもこんなに輝くのか・・・と思うほど素敵に仕上がります。

 仕立てはファスナー付きのトートバッグ。マチを細くして、すっきりしたデザインにしました。クラスのみなさん、ぜひチャレンジしてロング&ショートを克服してくださいね!!!


写真は新しいサンプルのトートバッグの刺繍部分です。25番糸で生地の織り柄に沿ってロング&ショートステッチをしています。花心は丸小ビーズです。こちらの部分はフランスのインテリアファブリックです。ぱっと見、帯地のように見えます。
フランスのインテリアファブリックの豊かさは素晴らしいものがありますが、アジアンチックな織り柄のものも結構あります。梅柄や漢字柄はまだいいのですが、武将柄みたいのも見たことがあります。馬に乗った武将が、片腕を天に振り上げてえいやっ〜みたいな・・・。これ、作る方もすごいですが、買う方もすごいですね。部屋のカーテンが武将柄って・・・。
ちなみに、バッグサンプルの全体像は、下記のブログに写真をのせています。そして、こちらのカリキュラムは、2回講座での予定はありません。ご了承くださいませ。

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2009.2.6
直木賞
 今年最初に読んだ本が、天童荒太さんの『悼む人』でした。天童さんの本は『永遠の仔』とあといくつか(すぐにタイトルがでてこない・・・。記憶力悪し・・・。)読んだのですが、今までの作品とはだいぶ印象が違う感じでした。
 最初、どうしてこの人はこの物語を書いたのだろう・・・と疑問に思ってしまうほど入れなくて(感情が移入できない)、意味がよく分からないまま読み進めていたのですが、途中からなんとなく理解の範疇に入ってきたような感じがしました。きっと、この話はいろんな感想がでる物語だと思いました。分かりづらい説明ですね。結局、上手くつかめなかったのです。最後まで。それはこの小説が言おうとしていることが深すぎるからなのか、それとも永遠に答えのでないことがテーマだからなのかは分からないけれど、とにかく不思議な感情にさせられた1冊でした。
 天童さんの小説を読むと、小説家というのは本当に本当に大変な仕事だな・・・と感じます。普通にへらへらと暮らして書ける話ではないです。そのくらいは私にもわかる。でも、そんな大変な思いをして、自分をすり減らしても、書かずにおれないというパワーは鬼気迫るものを感じます。人は色んな使命を持って生まれてくるものですが、本当に特別な人生を歩むべき人っているんだな・・・と、思うわけです。
 『悼む人』は先日直木賞を受賞。私としては、『永遠の仔』の方がそういう賞には相応しいのでは??なんて勝手に思ったのですが、その『永遠の仔』がノミネートされた時に結局直木賞を取ったのは佐藤賢一さんの『王妃の離婚』です。こちらは時代もの。ですが、和ものではなく洋ものの歴史小説。15世紀フランスで起きた、時のフランス国王ルイ12世と、王妃ジャンヌ・ドゥ・フランスの離婚裁判の模様です。
 私は結構歴史小説が好きで読むのですが、ほんとに、人によって解釈って全然違いますよね。今生きている人だったり、ちょっと前に生きていた人の伝記だったりしたらまあ現実とあまりにかけ離れていると『えっ???』って疑問詞出てきちゃいますが、もう何百年も昔の人のことを書くとなれば、一番頼るものは己の想像力となるわけです。
 私も15世紀のフランスの歴史には全く明るくないものですから、こんな離婚裁判があったことなどこの本を読むまで全く知らなかったのですが、歴史的にも決してメジャーな出来事というわけではないこの史実を選び、どこまでが本当でどこまでがフィクションなのかは分からないけれどこれほどの小説を書き上げてしまうなんて、佐藤さんもすごい人です。

 この物語を読んで個人的に思ったのは、人間て意外に進歩していないのかも・・ということ。昔から男女のいざこざは絶えず、ゴシップ好きで、自分の保身に精一杯な人もいれば、権力に屈せず戦う人もいる。この小説の中にも、いろんな人物が出てきますが、やはり主人公は正義の味方です。強く、正義感に溢れている。でも、正義一本槍のヒーローものと違うのは、主人公も人間で、人間的感情で最後は裁判に関わる人の感情の行き場と自分の信念の狭間で悩み苦しむ・・・というところ。(ちなみに、主人公は王妃の弁護士です。)史実を元に想像の力でこれほどの物語を作り上げるなんて、やはり小説家はすごいですね。


写真はトゥールの大聖堂のバラ窓。真ん中の支柱がないと崩れてきてしまうほど大きく作っちゃった逸品です。トゥールのあるロワール地方は、かつてフランスの政治の中心だったところです。王妃の離婚でも、トゥールの街が舞台に出てきます。トゥールはとても落ち着いた雰囲気の街。時の流れがゆったりしている印象を受けました。あと、パンがとても美味しかった。どこで食べても、キオスクみたいなところで買ったパンでさえも美味しくて、パン好きにはぐっとくる街でした。水がいいんですかね??

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