cafe time sucre

カフェ・タイム・シュクレは、シュクレの杉浦今日子が、日々の出来事や刺繍のこと、
フランスのこと、もの作りのことなどをつらつらと書き綴る日記です。
コーヒーやお茶を片手に、ひと休みという時間のお供にどうぞ。


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2008.11.24
パリの新しい美術館
 2006年にオープンした、ケ・ブランリー美術館に行ってきました。ここは以前のコラムでもご紹介した(2006年11月26日)世界アラブ研究所を設計したジャン・ヌーベルさん設計の建物で、セーヌ沿い、エッフェル塔を背に建つ赤の巨大な美術館です。
 実は行くのに最初あんまり乗り気じゃなくて、主人の行きたいという言葉に任せてのこのこついていった感じでした。パリにある、ルーブルとか、オランジュリーとか、オルセーとかのような名画があっておおぉぅみたいな美術館ではなく、アジアやアフリカなど、ヨーロッパ以外の国々の工芸品なんかを集めた美術館です。
 ほんと、申し訳ないのですが、あんまりアジアやアフリカの工芸品て興味ないんだけど・・・なんて気持ちで行ったのに、ついていった私の方が最後はのりのりで、最初に行きたいと行った夫は途中で疲れてダウン気味という事態となりました。
 まずは建物そのものについて。やはり、ジャン・ヌーベルさん。あなどれません。セーヌに沿ってどどどーんと、赤が基調のなんだろうこれは?的な建物。建物もおおぅってかんじですが、それよりぐっと来るのが入口から建物までの間に広がるぼーぼーの庭です。すすきとか野の草がぼーぼーに生えている感じで、ヨーロッパの庭でこのぼーぼーぶりを見ると新しく見えるから不思議です。とにかく、整理整頓されていない広大な庭。(でも多分手入れはされているんだと思います。ぼーぼーだけど。)違和感おおありのこの光景が、この美術館にはヨーロッパの匂いがないんだよというのを物語っているようです。
 まず庭でかなりはしゃいで、中に入るとガラスの円形のアーカイブが地下から上階まで、吹き抜けでずどぉーんと鎮座しております。この大きな円形のガラスの中に、この美術館の所蔵品が整然と並べられている。もちろんお客さんは入れませんが、いつか陳列棚に並ぶであろう日がくることを待つこれらの所蔵品を見ることができるのです。
 特別展も面白かったですが、なんといっても常設展の迫力はすごい。アジア、オセアニア、アフリカなどと、地域ごとに分けられているのですが、まるでテーマパークのような造りでゆるいスロープを登ったり、降りたり。展示の仕方自体は、オランダのライデンの国立民族学博物館のようで、黒が基調のガラスケースに浮かんでいるかのように見えるような展示です。展示品そのものも良いですが、そのテーマパーク的わくわく感にやられた感じがしました。
 閉館時間が近づいて辺りが暗くなると、庭の植物の間に無数に立っていたアクリルのような棒が青く光り出します。その青が建物に映って、その光景がまた幻想的。とにかく、アイデアが満載の美術館。世界に名だたるルーブルやオルセーにひけをとらない、フランスが威信を賭けた心意気を感じました。


写真は、ぼーぼーの庭。美術館の隣にはカフェもあります。エッフェル塔が見える、心地いいカフェです。お茶の時間にカフェに行くと、みんなものすごいデッカイスイーツを食べててびっくりします。私も食べたいんだけど、デカさを考えると躊躇してしまう。胃の小さいアジア人。私たちの隣の隣のカップルは、巨大なワッフル、生クリームどっさりのせをお代わりして食べてました。一人二皿ずつ。日本では目を疑うこの光景、パリでは良く目にします。一つ食べて、そうとう美味しいともう一つ同じものをお代わりしちゃう。羨ましいけどねぇ。真似できませんねぇ。

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2008.11.18
ルーアンで考える。
 パリから電車で1時間ちょっと北西に向かったところに、ルーアンという街があります。この街の名前、だれでも一度は聞いたことがあるはず。そう、ジャンヌ・ダルクが処刑された街として名が知られています。以前NHKのフランス語会話を見ていて、この街が紹介されていました。石畳の街並みが画面に映し出され、カフェやお店の何気ない街の風景がとにかく素敵っ!!!いつの日か絶対ここに行くのだ!!と、ずっとずっと心に秘めていて、今回ようやく行ってきました!!!
 『ルーアンは小道がいい。』以前ルーアンに住んでいたことのある知人の言葉。これは本当です。とにかく街のどの小道も写真に撮りたくなります。決して、明るく可愛い小道ではありません。
 ルーアンのあるノルマンディー地方は、フランスの中でも『とにかく天気が悪い』ということで有名です。私が行ったときも、もちろん雨でした。そして寒い。しんしんと、身体の芯に滲みてくる寒さです。石畳の道に、中世からの石造りの建物。それにしとしとと雨が降りて、灰色の街をさらに暗い灰色にします。明るいわけがありません。
 でも、ルーアンの小道はとても魅力的です。ふと横を見ると、さらに別の小道があり、その先に昔からある古い建物。灰色の景色の中に、窓に飾られた植物の緑と赤。その先に何があるかではなく、ただここを歩いてみたいという衝動に駆られます。そして反対を見ると、扉が開いて建物の中庭が見えている。そこには人影はないんだけど、寒い北の街で暮らす人々の慎ましさが見え隠れしていて、この街に住むというのはどういうことなんだろうと考える。更に言えば、この街に生まれるというのは、一体どういうことなんだろうと、考えずにはいられませんでした。
 ルーアンの小道が魅力的なのは、明るく可愛いからではありません。そこにはきっと、決して平坦ではなかったこの街の歴史があるから。そしてこの街は、どんな時代も人々を受け入れて、小道の隅々までに歴史の息吹がかかっているのだと感じました。知らない街に行って、こんな風に街の小道を歩いてみるのもいいものです。観光名所ももちろんいいですが、全身の肌で直に街を感じることができます。


写真は、ルーアンの小道。思わず吸い込まれそうになります。ルーアンには先史時代から人が住んでいたと、発掘調査で分かっているそうです。歴史が長いだけ、この街には様々なことが起こっています。商業都市としての発展、外国からの侵略、伝染病、とくに中世にはペストで大打撃を受けました。そして、復興、フランス第2の都市としての発展、また衰退と没落。第2次世界大戦の時には、ナチスにより占領され、爆撃で街は壊滅状態となったそうです。それでも人々は、この地を再建して今があります。第2次大戦の爆撃で、街の中心にあるノートルダム大聖堂もかなりの被害を受けました。いまでも再建工事が続いています。

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2008.11.12
ショコラ♪ショコラ♪
 フランス滞在中、サロン・ド・ショコラというイベントが開催されていました。日本でも伊勢丹で冬に開催するイベントの本家本元です。
 パリのちょいはずれの方にある見本市会場での大々的な開催。ショコラ好きにはたまらないこのイベントにぜひとも行こうと、張り切ってインターネットでチケットを購入し、11月2日の開催最終日に行ってきました♪
 とにかく、スゴイ人です。世界中からチョコレートのお店が参加しているとあって、出店数もスゴイですが、人の数がスゴイ。結構な数のお店が試食を用意していて、食べられます。食べて、気に入ったら購入もできるという仕組み。日本でも名を馳せている有名ショコラティエの数々も出店していました。
 私はかなりの甘いもの好きで、チョコレートは無いと禁断症状がでるくらい、どんなにお腹がいっぱいでも甘いものは食べられる・・・というよくある甘いもの用の別腹を持っている人間ですが、さすがにチョコレートだけを食べ続けていたら気持ち悪くなりました。でもでも、つい試食を薦められると手を伸ばさずにはいられない・・。恐るべし、サロン・ド・ショコラ。
 そんな中、おおうぅ、これは美味しい・・と一気に気に入ったのが、『Franck Kestener』!!なんでも2003年にM.O.F.(フランス最優秀技術者賞)を26歳の最年少で獲得した才能あふるる若きショコラティエ。(これはあと情報。全然知らなかったので、ブースにいたおじさんをフランクさんか?と勝手に思ってました。)日本に帰ってきてからネットで調べてみたら、沢山の人がブログに書いてました。みなさん、お早いです。なんでも、去年2007年伊勢丹のサロン・ド・ショコラに初登場して、すでに多くのファンが付いているようでした。
 美味しいものは世界共通。チョコレートは世界共通語ですね。国際会議なんかの席上にも出したらいいのに。和やかに話し合えそう。


写真は、サロン・ド・ショコラのごろごろショコラ。こんな山積みなのが、わんさかあります。ショコラだけじゃなくて、ブリオッシュやさんとか、スパイスのお店とか、アイスクリームやさんなんかも出ています。サンタさんみたいなおじちゃん達が店員さんだったジェラート屋さんもとても美味しかったし、カヌレ屋さん(本当に、カヌレしか売っていない。しかも味もオーソドックスなの1種類。)も美味でした。時間を見ていなかったら、かれこれ4時間会場にいました。その間、チョコのみ。気持ち悪くなるはずです・・・。でも、私たちが会場を後にするとき、入場待ちの行列がずぅ〜らぁ〜っと、できてました。ざっと1時間待ちくらい??ディズニーランドのアトラクション待ちの光景のようでした。

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2008.11.06
城だね。
 フランスに行ってきました。2年ぶり。日々に忙殺されている間に、随分日が経ってしまいました。
 今回のフランスでは、パリでの仕入れの他に、フランス中西部のロワール地方にあるトゥールという街に行ってきました。ロワール地方と言えば、有名なのは『城』。こぞって城が建てられて、トゥールはこの『古城巡り』の拠点となっている街なのです。
 トゥールに行くと決まってから、『古城』に思いを馳せ、ネットで城検索に余念のない夫。まあ、せっかくロワールに行くのだから、城のひとつも見ておかなくちゃね・・と、わたしも結構乗り気になっていたところに、以前トゥールに住んでいたという知人の言葉。『城??・・・行ったけど、別に・・・。』・・・まあ、人によってはそう言う人もいるのでしょう。気を取り直して、城です。
 数ある有名な城の中で、われわれが選んだのは『シュノンソー城』。トゥールから電車で行けるし、川に渡るように経つその城の美しさは『白鳥』と例えられるという何かのガイドブックで読んだ文句にやられました。ここはかの女傑『カトリーヌ・ド・メディシス』ゆかりの城でもあります。
 電車が駅に到着して、城入り口はほぼほぼ目の前。で、まずそこで驚いたのが、人の多さ。チケット売り場の前に公衆トイレがあるのですが、ここに日本人の長蛇の列ができていて、一瞬「おおっ」と思います。ここだけみたら、日光にきたみたいな錯覚を起こしますが、いやいや、フランスだから。。。と、気を取り直して、チケット売り場から両側に高い樹木が生い茂る道を、城に向かって歩いていきます。神社で言う表参道のようなところです。その先に、左右に花が咲き乱れる美しい庭園、川の上には弧を描く橋脚を携えたお城。思ったよりも小振りなお城でした。入口近くが工事中。フランスの古い建物にはよくあることですが、この工事のネットで気分が思ったよりも萎えます。
 でも、せっかく来たんだし、気を取り直して。庭園はきちんと整備されて、手入れが行き届いて本当に綺麗でした。さすが、これだけの観光客を呼ぶだけの力があるお城です。庭園も外観も、それなりに綺麗だし、城中の造り、天井に埋め込まれた紋章や、暖炉や、床や、タペストリーや、調度品も素晴らしいんだけど、このお城で何よりも、何よりも美しかったのは窓から見るシェール川の景色。両岸に秋の色に変わり始めた木々を見て、雲の切れ間から光が差し込み、川面にきらきらと映ります。歴代の城主たちもきっと同じ光を見て、神様の存在を確認したのでしょう。本当に、神様がご褒美にくれた景色と思える光景です。決して、河岸からは得られないものを得るなんて、最高の贅沢ですね。

写真は、シュノンソー城の窓からの景色。今見てもどきどきするほど美しい。
でも、とにかくすごい人だったのです。トゥールから電車で一番行きやすいという理由で選んだお城だったので、こんなに流行っているとは驚き!!あとで知ったことですが、観光客がフランス中のお城でヴェルサイユ宮殿に次いで多いところなのだそうです。納得。
さすが観光客が多いだけあって、経済面でも潤っているのでしょう。部屋の至る所にお花のアレンジメントが飾られていて、それがまたひとつひとつセンスが良くて楽しめました。

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