cafe time sucre

カフェ・タイム・シュクレは、シュクレの杉浦今日子が、日々の出来事や刺繍のこと、
フランスのこと、もの作りのことなどをつらつらと書き綴る日記です。
コーヒーやお茶を片手に、ひと休みという時間のお供にどうぞ。


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2007.5.5
小布施
GW中、用事があって長野に行き、せっかく長野まで行ったのだから・・と、小布施にも足を運んでみました。
小布施といえば『栗』というのは世間一般に知れたことですが、『葛飾北斎』のゆかりの地でもあります。ここには北斎の肉筆画を集めた『北斎館』という美術館があります。
北斎は高井鴻山という豪商の庇護のもと、80代半ばに小布施に逗留し、祭り屋台の天井絵や岩松院の本堂に天井絵を描いています。80過ぎの爺さんが描いたとは思えない、ダイナミックで生命力が溢れ出ている波、龍、鳳凰の絵。
北斎は、『70前に描いたものには取るに足らない』と言い、『73歳にしてやや禽獣虫魚の骨格、草木の出生をさとし得たり』と述べています。並の人間に言える言葉ではありません。
わたしが北斎の絵をスゴイと思うのは、平面の絵から五感に訴えるものを感じるから。馬の蹄の音や、枝を揺らす風、旅人の足音、花魁の白粉の匂い・・・。人には生命があり、大地も息をしている・・・。そして彼自身の『気』が、どんなに簡単なスケッチにも感じられます。北斎館を訪れたのは2度目ですが、自らを『画狂老人』といい、死ぬまで命のある絵を描き続けた江戸時代の絵師には、今回もパワーをもらいました。


小布施は町中に花が咲いていて、とてもいい季節でした。街路にはピンクと白のハナミズキが満開で、GWに訪れた人々を歓迎しているようでした。それにしても小布施も長野もすごい人出。どうやら『風林火山』の影響らしいですが、どこもかしこもとにかく風林火山。NHK・大河の底力を見ました。もちろん、駅では『風林火山弁当』も売ってます。食べなかったけど。