cafe time sucre

カフェ・タイム・シュクレは、シュクレの杉浦今日子が、日々の出来事や刺繍のこと、
フランスのこと、もの作りのことなどをつらつらと書き綴る日記です。
コーヒーやお茶を片手に、ひと休みという時間のお供にどうぞ。


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2006.7.28
天才の憂鬱
先週図書館で「アインシュタインと相対性理論」という本を借りてきました。前々からアインシュタインさんに興味があったのです。相対性理論は、正直わたしには理解不能ですが、アインシュタインの人生や生き方を知りたいと思って借りました。
私の中での彼の印象は、物理学の世界で人が思いつかなかった発見をした大変頭のいい人で、世間の人々からは天才と呼ばれた人・・というものでした。
正直、この本を読んで切なくなってしまいました。天才と呼ばれてもやはり人であり、人である以上様々な悲しみや苦しみは天才にも訪れるのですね。時は平等に人に与えられるものだけれど、その時をどう使うかでその平等性は大きく崩れてくる。時を有効に使い有意義なことをすることも出来れば、無益に時を過ごすこともできる。ただ、天才と呼ばれた人に、時はあまりに残酷でした。
彼が自分の研究の成果を上げるほどの時間は、彼に与えられていませんでした。それは彼がドイツ人で、ユダヤ人で、戦争の時代に生きた・・ということも大きな原因でした。彼が生まれたのがあの時代でなければ、もっと研究をする時間があったのかもしれない・・・。そう考えてもどうしようもないことだけれど。
葛飾北斎が書いた文章で、「長寿の神様、私を長生きさせて私の成果を見てください。」とお願いしているものがあります。彼もまた天才であり、自分の才能を発揮するための十分な時間を欲していました。天才と言われる人たちは、きっと自分がこの世に生を受けて、十分に才能を発揮させるには人の一生はあまりに短いものだということを知っているのでしょう。だから、時をこの上なく大切なものと感じているのかもしれません。
平等に与えられたものは、生かすも殺すも自分次第。こう考えると、大切に使わなければと思います。

写真はパリのパレロワイヤルの彫刻。彼には人間より長い時間が与えられているのでしょうか?手に持っていた何かがなくなっても、怒ったりせずいつも笑顔で鳩を頭や肩にのせています。鳩も、嫌がられもせず、払いのけたりしない彼が大好き。
2006.7.26
趣味の刺繍。
はまっている刺繍があります。リュネビルの刺繍。この技法は、オートクチュールの刺繍にも使われている、ビーズやスパンコールを刺すのにとても有効な刺繍です。
リュネビルはフランスの街で、パリの東側、ナンシーの近くにあります。(ナンシーはガレやドームなどのアールヌーヴォーの作家で有名な街)
リュネビルの刺繍とふつうの刺繍との最大の違いは使用する『針』にあります。針はとがった『かぎ針』を使います。この針が実によくできていて、刺し進める毎に感心してしまうのです。本当に素晴らしい。作った人を思いつく限りの褒め言葉で賞賛したいくらい。そして布を台に張って、そのかぎ針を半回転させながら刺しすすめていきます。
もう一つ大きなポイントは、裏面を見ながら刺していく・・ということ。だから、出来上がりが台の下側にできるので、手探りでビーズやスパンコールを入れていかなければいけないのです。これがちょっと、難しいところ。ビーズが入っていなかったり、スパンコールが一枚ずつ入らないで、束になって入ってしまったり、慣れるまで上手く刺繍するのはなかなか大変です。
でも、はまると楽しくてやめられなくなってしまう。肩が凝って、どうしようもない・・という状態になるまで、ついついやり続けてしまいます。
リュネビルでは今でもこの刺繍を習うクラスがあります。わたしも一度こちらにお世話になりました。とても親切な先生が、丁寧に教えてくださいます。ご興味ある方は、リンクのページから、リュネビルのページへどうぞ。フランス語オンリーです。

写真は今制作中の刺繍です。ビーズとスパンコール、色糸と刺して、今は金糸で“蝶”を刺繍している途中です。金糸は普段、日本刺繍に使う一掛金糸を使用することが多いのですが、今使っているのはフランスのもの。金糸を綺麗に刺すのは難しいですね・・。
2006.7.20
サンプルづくり。
8月の刺繍クラス、『夏の一日講習』は『かぎ針編みでつくるコサージュ』です。今まで刺繍クラスでは、何度か一日講習を夏と冬に開催してきましたが、今回ははじめてのかぎ針編み。サンプルづくりにはちょっと苦労してしまいました。
サンプルを作るときに注意するのは次のことです。
@2時間で作れる、または2時間で作り方が把握できてあとは家で完成させることができる。
A他にない技術が入っている。
B使えるもの。
Cかわいい。または綺麗。
これを全てクリアするとなると、知恵をぎゆぅ〜っと絞らなければいけません。サンプルも沢山つくりました。
今回のコサージュはスパンコールを使うのですが、使うスパンコールと糸の相性で、出来上がったときの印象が全然違ってしまうのです。
最初に作ったのは、まずスパンコールが入らないもの。だいたいの感じと編み上がる時間をチェックします。
それから、糸の色と、スパンコールの種類(フラットのものや亀甲型のもの、大きさも色々あるのです)、色(ゴールドから透明まで。こちらも様々。)を変えながら一番いい組み合わせを探していきます。

いくつも試し編みをして、ようやく今回のサンプルが完成しました。せっかく夏の一日講習なので、夏に使うのにぴったりな色合いです。スパンコールも透明なものを使っているので、軽やかで明るい感じ。ニットにも合うし、帽子やバッグにつけてもアクセントになる一品です。




写真は2回講座のページにも載せていますが、1日講習でつくるコサージュです。棒針編みはあまりやりませんが、かぎ針編みはついついはまって、時間が経つのを忘れてしまいます。楽しいっ!!!

2006.7.19
胃痛。腸痛。
季節の変わり目に弱いです。先週は35度の暑さ。そして今日は上着がいるほど涼しい。この気温の変動に、どうにもこうにも鈍いわたしはついていけないです。
先週はとうとう、胃痛と腸痛にしてやられました。早くも夏バテ。寝ていられないほどの、胃が雑巾を絞られているような痛み。病院に行きたくても、とてもこの状態で一人で行くなんて無理無理・・と思い、効いているのか効いていないのかよく分からないまま、緑の胃薬サクロンを飲み続けました。食べるものも、とにかく“柔らかいもの”しか無理ということで、35度という非情な暑さの中、夕飯には“雑炊”や“温うどん”を作って健康な旦那さんにも食べさせるという、プチ拷問のようなことをしてしまいました。
疲れたり、忙しかったりすると、すぐに“おなか”がやられます。私の弱点なのでしょう。
先日パリに行ったときも、まんまとやられました。到着した次の日の夜から過激なパンチを胃と腸に食らいました。一晩中トイレとベッドを往復し、次の日は病院に行きジャン・レノ似の大きくて元気のいいちょっと口の臭いお医者さんに点滴を打ってもらいました。
そういえば、海外に行くと大抵病気になっているような気がします。特にヨーロッパ。今まで何度も行っていていますが、最初から最後まで健康体でいられたのは、2度だけ。(あまりにも少ないので、覚えている。)胃腸炎、風邪、鼻血。なかでもお腹がやられてしまうことはしばしば。誰かと一緒の時ならいいのですが、ひとりでいるときに具合が悪くなると悲惨です。
以前ロンドンに行ったときのこと。古代エジプトのあれこれにはまっている私は(世界不思議発見だいすきっ!!!)、喜び勇んで大英博物館に行きました。ヒエログリフの解読の鍵となった『ロゼッタストーン』を前に、長い歴史に思いを馳せてひとりじんわりと感激に胸を震わせていたら、お腹にも震えが・・。まずいと思って、すかさずベンチに座り、後はひたすら痛みが去るのを耐えました。こんな時は、日本人観光客の話す日本語がやけに耳に入ってくるもの。「誰か声かけてくれないかな。。。」という弱気な思いも虚しく、ただひとり、ベンチを転々としながら、時折顔を上げて夢にまで見たエジプトの古代彫刻をちら見しながら、腹痛の波が去るのを1時間あまり耐えたのでした。苦い思い出です。

写真はフランスで胃腸炎になったときに処方してもらった薬。薬局の店員さんがひとつひとつ丁寧に箱にいつ、いくつずつ飲むかを書いてくれました。
2006.7.4
ヘンな飲み物。
わたしは食に関しては、意外とチャレンジャーです。初めてのものとか、ヘンな組み合わせで一瞬「えっ??」って思うものも、とりあえず食べてみるタイプ。廻りの人に話を聞いてみると、女性には食チャレンジャーが多いように感じます。反対に、男性は食に関して保守的な人が多い。変わったものには箸を付けない、変わった組み合わせのものは試さない。もちろん国勢調査で全国的に調べた結果ではないので、統計的にどうということではないのですが、少なくともわたしの廻りではオンナ=積極派、オトコ=保守派と分かれているようです。
最近出逢った、意外なもの。それは『ホット・オレンジジュース』。買い物の途中でふらっと入ったカフェのメニューにありました。暖かいもので、コーヒーやお茶ではないものが飲みたい・・・と思っていたときだったので、迷わず頼んでみました。出てきたのは、ブラッド・オレンジのジュース。もちろん暖かい。でも、ものすごく熱いわけではなく、適度な『ホット』感でした。ビタミンCが壊れるとか、気にしているのかしら・・・と思いつつ飲んでみると「おいしいっ!!」。(一人だったので、もちろん声にだしてはいない。もし誰か一緒にいたら、この感動は声に出して言っていたと思う)シナモンの香りがほんの少しして、オレンジジュースの酸味と甘みが程よくほっとする味。これはイケてます。
考えてみたら、レモネードだって柑橘系だし、オレンジがホットになってまずいわけないです。グレープフルーツジュースとかも、ホットにしてみたら美味しいかも・・・。
以前渋谷のカフェ、アンノンクックで『ほうじミルク』というのをいただいたことがあります。ロイヤルミルクティーのほうじ茶版。これはホットでもアイスでもイケました。
最近はジュース・バーみたいなところでも、いろんなブレンドがあったりしますよね。先日丸ビルの地下で飲んだのは、『アボカドとバナナとヨーグルトとミルク』のジュース。まったりとしていて、濃厚で美味しかった。カロリー高そうですけど。
なんの小説か忘れてしまったけど、喫茶店でいつもくる女性が『ホット・コーラ』を頼むという話を読んだことがあります。わたしはたまにコーラを飲むときは、牛乳を入れて『コーラ・ミルク』にします。これは友人に言うと賛否両論。“賛”の方が少ないようですが、美味しいですよ。炭酸も薄まって、微炭酸でちょうどいい感じになるし。勇敢な方、ぜひお試しください。
あと毎日食べているのが、きなこヨーグルト。ヨーグルトにきなこです。きなこの香ばしい感じがたまらく、やめられない美味しさです。
ちなみに、うちの主人は『ほうじミルク』も『コーラ・ミルク』も『きなこヨーグルト』も口にしたことがありません。食の保守派です。別に生死に関わることではないので、全然かまわないんですけど。

写真はパリで初めて食べたアラブのお菓子。とても甘くて油っこかった。たぶんもう買わないです。もちろん主人はひとくちも食べませんでした。